ウッドテックキムラが、大切なお客様と創り上げた
施工事例をご紹介します。
「今後の生活を見越して、リビングで生活が完結できるようにしたい」「一番長く居る場所だからこそ、使い勝手はもちろん、昔から「家」に対して抱いていた夢を叶えたい」とご相談いただきました。
キッチンを入れ換え、部屋に凹凸をつくっていた既存収納やキッチン壁の立ち上がりなどを解体し、キッチンやダイニングテーブルのレベルに合わせた収納棚の造作をすることで、20帖近いLDKの統一感と、物が床や棚上に溢れない収納量の確保。そして造作棚であえて動線以外の床を覆うことで、壁や手すり、テーブルや造作棚など、部屋全体でつたい歩きができるような空間を設計しました。

キッチンはスタッフ自邸でも採用したクリナップの「Rakuera」。十分なお部屋の広さもあったため、リビング側も全収納にしたペニンシュラ型を採用。キッチンの調理側もリビング側も大収納となり、キッチンの背面にもキッチンと同じ高さの造作棚を制作。これまでの収納よりも外見上の容積を減らしながら、リフォーム前以上の収納力を確保しました。

お客様との打ち合わせの際、弊社社員の蝦名のリフォーム事例をご覧いただき、そちらをとても気に入っていただきました。そのため蝦名宅のダイニングリフォーム事例をベースに、キッチン等の設備プラン、空間提案、意匠計画をさせていただきました。ほぼ「すべてお任せで」と言っていただいた中で心がけていたのが、リフォーム前後で「変えすぎないこと」。
完成したお部屋を見に来られたお客様もご友人も、「全く変わった!」と言われ、私自身もめちゃくちゃ変わったなぁ! と思っていますが、
①間取りを変えない
②キッチンの向きを変えない
③これまでのベース色を変えない
などなど、変えないと決めていた部分がたくさんあります。
リフォーム前のお部屋の色使いも落ち着きあるもので、床やキャビネット、扉など少し暗めのウォルナット色調はそのままに、造作棚やインテリアの高さを揃えることで、アイレベルにある部屋の広さを最大限に確保できるようにデザインを行いました。



リフォーム前に断捨離もするので、せっかくだから何もない広々とした空間も欲しい、と打合せの中でお客様からのご希望をいただきました。実際リフォーム前から物も整理されており、打ち合わせに行くたびに部屋がスッキリと片付いていき、リフォームを楽しみにされているのが伝わってくるくらい、断舎離されていました。その光景を見て再度考えたのが、構造上、無駄な柱や壁もないきれいな長方形をした大空間において、4.5帖から6帖くらいの空間で全く何も置いていない空間を作ることは容易だが、その何もない空間があるとどれだけ心がざわつくだろう、ということ。
空間提案では、照明の位置や高さ、造作棚の高さや容積、リビングテーブルやダイニングテーブル、センターテーブル、ソファ、フロアライトなどの配置も含めて、満たされた空間になるように考えていましたが、その中にポッカリと「何もない場所」ができてしまうと途端にソワソワして落ち着かないものになってしまうと、イラスト等も交えてご説明。
縦長の長方形のそれぞれにはエリアが分けられており、
・キッチンエリア2坪
・ダイニングエリア3坪
・ウェルカムスペース1.5坪
・リビングスペース3坪
と、境界はなくとも、家具の配置で目的が与えられています。縦に見ると、中央にそれぞれのテーブルが密集して見えますが、両サイドは十分な通路幅を確保しており、窮屈さを感じさせない配置にしています。最近では照明もペンダントライトや、シーリングライトなどの出っ張るものを極力なくし、ダウンライトのみでの仕上げもよく見かけますが、この20帖のスペースの中のそれぞれの場所に異なる役割を持たせるアイコンとして、ペンダントライトを多く採用。



部屋の色調のベースとしたのが、IKUTAのラスティックフロア「ウォルナット」。ベースを暗めの床色とし、キッチンエリアは真鍮の見切りで切り替え、こちらはさらに黒くしたIKUTAの新商品、タイルの風合い「クルードフローリング」を採用。フローリングと同じく合板で作られ、トップにシートフロアーを張ったものになります。フロアタイルと違い、タイル調の素材を大工がそのまま施工できるため、従来タイルやフロアタイルで表現していたものよりも随分価格を抑えることもできます。



リビングスペースのソファに腰をかけ、正面に幅3600mmとなる造作棚を設置。上部にはもともとテレビボードやキャビネットにあったTVやステレオを置き、アイキャッチとなる高さには、お子様が小学生の頃に旦那様と作られた昆虫標本を配置させていただきました。この昆虫標本は、家具等をしまうお手伝いをした際に目に付いたためお話を伺ったところ、お子様と旦那様の思い出があるとのこと。また、40年近い月日が経過しているにもかかわらず保存状態もよく、博物館のような雰囲気を演出できること、黒い枠で覆われているので、アイキャッチのラインを作るのにも効果的であったことから、リビングに飾らせていただきました。






お部屋にあわせた照明器具や、ソファやテーブルなど新規ご購入家具のコーディネート提案をさせていただきました。また、元からあった物や、木材やブラケット金物を組み合わせてつくったオリジナルの手すり。壁への配置はどれくらいの高さにするか、棚上にはアイテムは何個まで・・・と、レイアウトも含めて施工をいたしました。
自分もお友達も心地よく過ごせる空間、そして今後ソファがベッドに置き換わったときに、この1フロアで満足して毎日を過ごせる空間として提案、施工をいたしました。クリナップのシステムキッチン、ラクエラに関しても、メーカー納品そのままでは、せっかく天板も面材も黒調のラスティックなのに、ケコミが横一文字で真っ白だったり、棚の間から骨組みの白がチラ見えしていたりしていたため、黒の床材を加工してケコミを黒くしたり、引き出しから見切れる下地に黒のテープを貼ったりと、妥協せず仕上げました。
「すべてあなたに任せるわ」
という言葉を戴き、弊社の提案を受け入れていただきましたが、少しでも仕様に変更がある場合は逐一ご相談させていただきました。様々なプランや商品、レイアウトなどをご提案いたしましたが、このように素晴らしいリフォームができたのも、最終的にご決断されたお施主様のセンスありきのものです。写真に写っているものには、一部社屋から持ち出して撮影しているものもあり、植物をこのくらい置きたい! というご提案がまだまだあります。
定期的にご訪問し、お困り事や、住まい方のご相談もしてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。