泉まくら|福岡県在住。 2012年 術ノ穴へ所属し同年発表されたデビュー音源「卒業と、それまでのうとうと」が各メディアで話題となり、くるり主催「WHOLE LOVE KYOTO」出演やパスピエとのコラボ音源『最終電車』リリースなど大きな注目を集める。 2013年10月には待望の1stアルバム「マイルーム・マイステージ」が各媒体でBEST DISCに選ばれる。 2014年公開TVアニメ『スペース☆ダンディ』では菅野よう子とのコラボ楽曲を提供。
ここ最近は女性ラッパーの音楽を聴く機会が多い。ラッパーといっても、純粋なリリックで対決していくようなガチガチのラップではなく、相対性理論のようなウィスパー系の言葉を紡ぐよな人の歌ばかりを聞いている。以前にも紹介した、DAOKOもそうだが、今回紹介の泉まくらや、ラブリーサマーちゃんなど音楽の多様性が広がる現在では、このような新しいような懐かしいような音楽に出会うことも多くなった。なによりも、PCや音楽制作機材・ソフトなどが手に入りやすい価格になったことで音楽制作の敷居が下がったこと、そしてなにより音源を自らYOUTUBEなどのSNSで発信する手段が増えたことはすごいことだと思う。
この、泉まくらをよく聞くようになったのはどの音源からだったろうか。フィッシュマンズのいかれたBabyは、たくさんのアーティストがカバーしているが、泉まくらバージョンを聞き、また別の曲、次の曲と行き着いていったのではなかっただろうか。特に上に動画を貼っている「パルコでもロイホでもラブホでもいいよ」は、低めの絞り出すような声から導入し、繰り返すリリックが浮遊感を生み出す。MV中での演出もそして歌詞もストーリー性は存在するのに「平熱」感のあるその声が、寂しさ、とは少し違う(諦め?落胆?をもっとポップにした)感情を呼び起こすようだ。そんな世界観に惹かれていった。
これまで、ストリートなどで暑い中寒い中、雨の日風の日に声を枯らして唄っていた日も今は昔。制作も発表もインドアで出来る時代。セールスもスカウトもインドアで出来る時代になった。
そんな中私は今日も炎天下にチラシをポスティングに行くのだ。